絶対運命黙示録

だいたいツイッターにいます@wenoim

休職日記④ 崩壊

 


「もうシフト決まっちゃってるんで1、2月は来なくていいですよ」

と言われた。

 鬱もある程度おさまってきて、職場の近くまで行ってみたりして、はたらくイメージをつかみ、医者と相談してそろそろ復職しても平気だろう、となったときだった。

「復職できそうです」

という私のメッセージへの返事は上記のとおりだった。

 


 数日後、職場のチャットにあたらしいひとが入ってきた。ああ、私もういなくていいんだ、とおもった。

 


崩壊した。

 


 なにもかもがだめになりもう無理だ、どこか遠くへ行きたいとおもって地元の1日5本しか出てないバスになんとか乗り込んだ。

 駅に着く。東京駅まで出てそこからは新幹線で熱海まで行く。熱海はなんとなく暖かいイメージがあって死のルートから私を外してくれそうだった。

 熱海の駅の近くに宿を取った。宿から歩いて15分くらいのところには熱海銀座劇場というストリップショーをやっている劇場があって、私が行ったときはたまたま黒井ひとみさんが出ていた。

 適当にその辺にあった服を引っ掴んで着込み、コンタクトやメイクをしてる余裕なんてなくて、眼鏡のままで、髪もろくにとかさないで行った私はすごくぼろぼろに見えただろう。それでも黒井さんは私にたくさんファンサしてくれて、ふたりでの自撮りもしてくれた。

 


 ほとんど無条件に〈生〉を肯定してくれる存在がいるというのは私をこの世に繋ぎ止めてくれる大切な条件だ。その中にじぶん自身もいるといい。まずは私が、私の〈生〉を肯定できるといい。

 


 じぶん自身がじぶんを肯定できるかどうか以外でつらかったのは、崩壊したきっかけになったのは、私の能力をだれにも見つけてもらえないことだった。ある日突然才能を見出されて一躍スターダムに上り詰める、なんて夢物語はとうの昔にあきらめている。だけど、できることはやっていきたいとおもっている。その場をなくさないでほしい。

 


「私ってそんなになにもできない、役に立たない人間なの?」

この問いはしばらく私を支配するだろう。