絶対運命黙示録

だいたいツイッターにいます@wenoim

あなたのことは理解しないけど


 相互不理解百合が好き。百合=レズビアン表象、という図式はちがうとおもうのだが、女性同士の親密な関係をあらわすさま(以降、百合)のなかに、ヘテロではないじぶんがどこかにいるようなきがしてなんだか居場所があるようにかんじる。そしてそのなかで相手を「理解」しようとすることにたいしてのアンチテーゼがあるとうれしくなる。

 


 相手を「理解」しようとするってなんて傲慢で尊大な態度なんだろう、とおもう。相手のことなんて、というよりそもそもじぶんのことなんて永遠にわからないのだから、わからないなりにやっていくしかないとおもうし、そのわからなさをじぶんのものにしようとするなんてどうなの〜!?とおもう。「理解」して"あげる"なんてもってのほかだし、「理解」して"もらう"もなんか卑屈だ。

 


「あたしは自分が寮にいるのは当然の権利だと思うので  皆に『ご理解』の『お願い』をする気はないです」

そう言い放ったのは縁だった(大沢あまね『彼女×彼女』より)。

「あたしには夜を心から理解することはできないのかもしれない」

そう独白したのは姫乃だった(花束葬式『ひめちゃんは重い女』より)。

 


「理解」なんかしなくたって一緒にいることはできるし(『彼女×彼女』)、相手を「理解」することなんてできない、しようとすることじたいが相手との関係を悪化させてしまうのだということを「理解」して離れることもある(『ひめちゃんは重い女』)。

 だからもう「理解」するとかそういうことをあきらめて、すこしでもお互いがいいようにできる関係(相互不理解)があるとすごくフラットだなとおもう。

 相互不理解百合はよい。