絶対運命黙示録

だいたいツイッターにいます@wenoim

クワロマンティックのレズビアンだけど男性と結婚したい


 pairsとかOmiaiとかやってる、と言うとたいていおどろかれる。それはきっと私がクワロマンティックのレズビアンを公言しているにもかかわらず、異性愛の、しかも婚活を目的としたマッチングアプリをしているからだろう。

「こどもがほしいとか?」「遺産とか相続の関係?」ときかれることもあるが、こどもはほしくないしいまのところ遺産などのごたごたもない。ではどうしてなのか、というとこれにもうまくこたえられず、どうしたものかといつも頭を抱えている。

 親や親戚からの「結婚すべし」の圧はない。むしろ「結婚しなくても生きていける」と言われて育った。カミングアウトしてからはさらに自由にするように言われた。それでも、私は男性との「結婚」にたいしてよくわからない願望を抱いてしまうのだ。

 ただ言えるのは、女性が相手だとクワロマンティック性が暴走する可能性があるので、男性がいいとおもっていることくらいだ。

 


 ただの夢見がちなあこがれかもしれない。一方的な幻想かもしれない。でも、私は、それが、どうしてもほしいのだ。どうしようもなく手に入れたくて仕方がなくて毎日毎日アプリをいじる手を止められない。『あのこは貴族』の華子の気持ちがいたいほどわかる。だれでもよくて、だれでもよくなくて、かけがえのない、ただひとりのひと。そのひとが私の人生に颯爽とあらわれてこの生活を劇的に変化させてくれるのではないかという、期待。

 


 呪縛なのかもしれない、ともおもう。異性とされるひととペアを組んで、国家に承認される。祝福される。その祝福がほしいんじゃないかとか、マジョリティに紛れることでマイノリティ性から目を背けようとしているんじゃないかとか。規範意識にとらわれているんじゃないかとも。でも、もしそうだとしてそれのなにがわるいというのだろう。問題なのは婚姻制度をつかえるひととつかえないひとがいることであって、さらには婚姻制度にまつわるあらゆる前時代的なシステムの数々(戸籍制度、強制的夫婦同姓といったことがら)である。

 呪縛由来だとしても夢を見ることを否定するのってどうなのよ、とおもう。