絶対運命黙示録

だいたいツイッターにいます@wenoim

きょうも生きている/生きていく


 誕生日がきて、27歳になった。もう20代半ばなんて言っていられなくなったことにすこしのさみしさを感じつつも、きょうまで生きてこられたことに安堵する。そして、ついこのあいだ25歳で亡くなってしまったあの子についてかんがえてしまう。私よりふたつ歳下だったあの子。私はあの子と直接のかかわりはなかったし、そういう子がいるってことをなんとなく知っているくらいだった。だけどニュースをみて、ああ、もういないんだな、という事実がいたいほど押し寄せてきた。

 


 すこしまえのあの子にかんする報道のときから、大丈夫かな、とはおもっていた。でもそのあとはとくになにかが報じられることもなく、なにもわからない状態がつづいていた。そして数日前、あの子が亡くなったというニュースが流れてきた。

 このニュースにかんして私は部外者である。けれど、ほんとうに部外者なの?あの子のいた組織の体制を責めながらもそこから提供される娯楽を享受してきた私はあの子を追いつめたひとりなのではないの?

 


 もうなにがほんとうのことなのかわからないし、ほんとうにあったことはずっと隠蔽されつづけるんだろうなとおもうとうんざりする。それで、そういう組織の体制に加担してきたじぶんがいやになる。

 


 私も一時期あの子のいた世界を夢みていた。ぜったいにそこに入ってやる、とおもっていた。結果は散々だったけれど。だからそこに入れた、夢をつかめたひとたちには勝手に期待していた。よくもわるくも。あの子は夢をつかんだもうひとりの私だった。

 


 私はきっとこのさきも生きていく。27歳をすぎて、28歳になって、もっともっと歳を重ねておばあちゃんになる。あの子のぶんまで生きようなんて傲慢なことは思わない。それでも残された私は、もうあの子みたいなひとが出ないように、動いていくしかない。私は、あの子を追いつめたあらゆるものをゆるさない。あの子の尊厳をめちゃくちゃにして、ほったらかして、命すらまともに守れなかったやつらをゆるさない。そのために生きて、生きて、生き抜いて、いつかあいつらが滅ぶのを見届けてやる。