絶対運命黙示録

だいたいツイッターにいます@wenoim

恋人制度廃止のおしらせ


 恋人をつくるのをやめた。

 


 いままで私はずっとふたりひと組にならないと死ぬゲームのなかにいたとおもっている。それは私のたんなるおもい込みかもしれないし、ほんとうにそういう制度のなかに生きていたのかもしれない。というかそうなのだ。だって戸籍上の男女がふたりひと組になって国家に承認されるとお得な制度があるから。べつに異性でなくとも恋人関係にあるひとがいるとそのひとのロマセク性が補強されるから。

 


 私はじぶんのことをクワロマンティックだとおもっている。他者におおきな感情を抱くことはあってもそれが友愛なのか性愛なのかわからない。その感情を形容することばはあれこれ出てくるけれど、はっきり「これ!」と決めることができない。とりとめもなくあらゆることばや感情が浮かんでは消えてゆく。

 


 過去にはいろいろなひとと付き合ったり、告白しては振られたりしてきた。でもそれは私にとってどうしようもなく暴力であり、自傷であった。

 楽しいこともたくさんあった。そのひとと恋人同士でなかったら経験できなかったようなこともまちがいなくあった。だからいままでの恋人たちとの関係を否定するわけではない。恋人でいてくれて、「私たち」でいてくれて、ありがとう。たくさん傷つけたよね、ごめん。

 


 私はひとと破滅しがちな傾向にあるとおもっている。じっさいにそういう経験はおおくある。感情が暴走してひとを傷つけながら生きてきた。じぶんの感情を「一般的」な型にはめることができないのに、はめようとしては失敗して、ときに他者を巻き込んできた。

 


 というわけなので今後はふたりひと組にならないと死ぬゲームからは降りて、恋人制度を廃止しようとおもう。廃止して、ひとりでもはれやかに生きられるよう、すこやかに、ひとを愛そうとおもった。関係性にとらわれることなく、ことばのしがらみにしばられることなく、自由に、ひとを傷つけないように、じぶんのことも傷つけないように、私は、生きる。